要介護状態にならないためのロコモ予防

ロコモとは、筋肉や骨、関節、椎間板などの運動器の衰えにより、移動機能が低下した状態のことです。仮に高齢者が、歩行や起立といった日常生活の基本的な動作ができなくなると、周囲への介護負担が増えることが懸念されます。ロコモの原因として、よく知られているのは、変形性関節症、骨粗鬆症それに脊柱管狭窄症の疾患です。これらは加齢によって発症しやすい疾患ですが、他にも肥満や痩せすぎ、運動不足などがロコモの原因となることがあります。

ロコモの症状が進むと、寝たきりや歩行困難といった深刻な状態に陥りますが、初期には自覚症状がないため見逃されることも少なくありません。しかし将来、要介護状態にならないためにも、ロコモ予防に努めることが肝要です。そのためには筋肉量を増やし、骨を丈夫にする食事を心がけるべきで、特に蛋白質やカルシウム、ビタミン類などが大切です。またロコモ予防の運動、「ロコ卜レ」もあります。

具体的には目を開けたまま左右片方の足で1分間ずつ立つ「開眼片足立ち」、深呼吸をしながら膝を5回から6回曲げ伸ばす「スクワット」で、これらを1日3回行って下さい。「開眼片足立ち」にはバランス能力を養う効果が、「スクワット」には下肢筋力をアップさせる効果が期待できます。他にもウォーキングやストレッチ、ラジオ体操などを取り入れると、関節に負担をかけずに筋力を鍛えられるでしょう。自分に無理のない範囲内で、体を動かす習慣をつけることが大切です。