要介護リスクのロコモ予防が健康寿命のカギ

長寿で知られる日本ですが、寿命がイコール健康でいられる年齢、というわけにはいかないのが現実です。例えば、ころんだのをきっかけに寝たきりになってしまったり、さまざまな体の不調が起こって、日常生活もままならなくなることも少なくありません。つまり、いかに健康体でいられる期間を延ばすか、それが長寿社会を生きるためには大切だということになります。

健康寿命を縮める主な要因として、認知症やメタボリックシンドロームなどが挙げられますが、それに加えてロコモティブシンドロームの問題があります。ロコモティブシンドロームというのは、運動器機能不全によって、立つことや歩行が困難になり、進行すれば要介護リスクが高まる状態のことを言います。実際のところ、要支援や要介護状態になる原因のトップが、運動器障害によるものですので、このロコモをいかに予防するかが、健康寿命を延ばすための秘訣だと言えるのです。

ロコモになる原因は、加齢と筋力低下などによってバランス能力が衰えていくこと、そして骨粗しょう症や変形性股関節症、膝関節症などの骨や関節の疾患なども関わってきます。予防するには、筋力を維持し衰えないようにすること、さらにバランスの良い食生活を心がけることが大切です。例えば、日常で歩く時間を増やすこと、ストレッチや軽い筋トレなどを無理のない範囲でおこなう、骨の衰えを抑止すると言われる栄養素を意識して摂取することなどが必要です。